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後藤先生と知り合って19年ほどになります。会社設立の時からお世話になって現在19期ですのでそのようになりますよね。

設立前、何人かの税理士先生にお目にかかったのですが、どうもしっくりこなかったのです。ある先生は『うちではコンピューターを使って会計処理をしている』とおっしゃるのです。 まあ、当社は吉野郡黒滝村という山深いところで営業していますのでコンピューターなんか見たことがないと思われたのでしょうかね。

後藤先生と初めてお目にかかったとき言われたことは『御社のお客はどちらですか?』と質問されるのです。私が『問屋とか製品市場(いちば)です』と答えますと、『それは本当のお客ですか?』と言われるのです。当時吉野・桜井等の製材業者・銘木業者は製品を殆ど、製品市場に出荷していたのです。

これは販売経費が一定で自ら売る努力を必要としないなどその当時一番効率的な販売方法だったと思います。だけど、『本当のお客』と聞かれるとそうじゃないのです。最終消費者でもないし、消費者の声を代弁してくれる小売店でもない。勿論全ての市場がそうとは申しませんが、市場は買いに来る仲買人に値を付ける機関にすぎないのです。
  極端な事を申しますと、仲買人が一人も来なければ売り上げは零ですね。また、消費者がどのような商品を必要としているか、そういうフイードバックが一切ない世界なのです。

そういう事もありまして、売り先の構造を変えようとしました。でも、先生は『今日の飯・明日の飯・明後日の飯だよ。今日の飯を大切にしながらいつの間にか売りの構造を変えるのだよ』と言われるのです。お蔭様で3〜4年ほどですっかり売り先が変わりましたし、従業員も『売る楽しみ』を知ったのじゃないかと思いますし、なによりも市場の機能が無くなった今日、そのまま売りの構造を変えていなけれは売上は70%程に減っていたと思います。
  また、現在、詳しくは申せませんが、ある分野を総売り上げの3割ほどに持っていきたいなあと色々変革しています。

『手形なんか切ったらだめだよ』と言われるのです。当時内地材は60日外材は120日の手形取引が当たり前でした。『でも手形は期日に落とさなくてはならない。商いは大きくなるけれど、落とすために受取手形を割引いて金利を銀行に払わなければならない。手形を仕入先に廻しなさい。印紙もいらない。もし受取手形が不渡りになったら銀行なら期日前のも買い戻しを要求されるけど、仕入先なら猶予がある』まあ、当たり前と言ったら当たり前なのですが、今では殆ど零に近い数字になりました。  

銀行とのお付き合いの仕方も詳しく教えて呉れました。
  『銀行員には絶対嘘をついたらだめだよ。彼らは取引先にいつも嘘をつかれているので、本能的に嘘か本当か判る人種だよ。だから嘘をつくならこれは嘘ですと言うんだよ。マイナス×マイナスはプラスになるから。』また『1000万必要なとき一生懸命頑張って200万自分で用意します。ですから800円融資して下さい。』などと言っては絶対ダメ。1000万要るときは1000万要るから1〜2ヶ月したら食い込むようになるから、また200万貸してとなる訳。こんな時は1200万貸して貰って200万余らすの。『企業努力して200万余りましたので返済します』と言うの。 『以前銀行は随分ローン付の保険を勧めたよね。あんなの絶対契約したらだめだよ。この経営者は随分甘い経営者だとしか評価しないよ。金利なんかもっと安くしろ、安くしろと機会あるごとに言わなければいけないよ。そうすりゃこの経営者は堅くって安心できると思うから。なかなか堅い経営って、しずらいから評価されるのね。積み立てなんか勧められたら金利は安いししたくないと思うんだけど、こつこつ利益をあげる事が評価されるんだよ。積立はやらなきゃなんないの』と言われます。
  一般の会社で金庫番をして銀行15行と取引をしておられたので、銀行員の気持ちが判るのでしょうね。

企業はヒト・モノ・カネが全てだと一般に言われますが、先生は違うんです。
  『そんなの持ちグサレもあるから当てになんない、人間の能力なんかそんなに差が無いんだから。それよりも世間には儲かっている企業があるから、それを自分の企業に合うようにすればいいんだよ。世間様が皆先生なの』と言われるのです。本当にその通りだと思います。  僕は一週間に一度は朝8時頃、事務所に電話して、『こんな時どう考えたら良いかなあ』と相談しています。商品開発についてなど聞きますと、『それは貴方が考えなさい』と突き放す時がありますが、1〜2日経った頃FAXが入り、問題解決のフローチャートなどが送られてきます。 ある機会に『先生。いつもこのように保守的な回答をしているの』と聞いたことがあります。そうすると『企業て扱っている商品が伸びている花形商品ばかりなら、在庫資金もいる。売掛資金もいるということで、大量のお金を供給しなければならないし、人材も数で供給しなくてはいけないでしょう。だからそのように回答しないと、足を引っ張るばかりだよね』と申されます。それじゃうちは花形商品が無いと言っているんじゃないかと不安になって商品開発を更に進めなくてはと思った次第です。  

もっともっとお話がしたいのですが紙面の都合上これぐらいにします。このように先生は近畿税理士会葛城支部の支部長を6年間もされた方ですので税務に対する見識は疑うべくもありませんが、それだけでなく今まで述べましたように経営全般に亘り何でも相談できる先生です。 上手にこの先生を是非とも利用して下さい。



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