税理士という種族は因果な商売で全て財務諸表の勘定科目とその数字で見てしまいます。
『商品』なども『商売の元となる品』とは見ないで、『期末棚卸高』と考え、資金を圧迫する元凶のごとく考えがちです。
『映画産業の衰退に学ぶ』のところでも述べましたように、映画産業は自社の商品を『よい映画』として捉え、『娯楽提供の一形態』としなかった為、滅亡したと申し上げました。
もし、『娯楽提供の一形態』と考えていたなら映画もあったし、テレビもあったし、劇場もあったし、ライブハウスも展開できたし、ビデオ貸し出しも考えられたでしょうし、もっと展開が開けたと思われます。
じゃ住宅産業ではどうでしょうか。昔住宅は大工が建てるものと思われてきました。
しかし、田圃を潰して宅地にするのは、農地法・近隣対策等が大変で煩雑なものでした。そういったことから建物と土地を一括で売る建売事業が発達いたしました。また、世の中はインフレの時代でもありましたので、購入者の資産形成に役立ったものと思われます。ですから大工さんの時代は正に『住の提供』であったものが、『個人資産の形成』となりましたから、より値上がりの確実な立地を確保すること、また、住宅ローンの提携こそが住宅産業にとって必要な条件であったと思われます。
そして、バブルの崩壊とともに、土地の資産としての価値は減少し、当然ながら『個人資産の形成』は消滅してしまいます。特に近年の少子高齢化・犯罪の多発は『健康生活提供』として、例えばネットを利用した防犯サービスの提供、快適な老後空間の提供即ちバリアフリー・家庭用エレベーター・介護を兼ねた家政婦の派遣サービスなどに商品或はサービスが変化するでしょう。
では、住宅産業に納入していた、例えば銘木業界の商品はどのようになるでしょうか。
今でも、床の間が必要で無くなってきています。ですから住宅の部材としての銘木として捉えるのではなく、日本の自然木或いは面白い木として捉えますとインテリア用品として若しくは、ヨーロッパ・アメリカへの輸出商品となりましょうし、快適な老後用品としては趣味の茶・彫刻部材・自分で作る自分だけの空間用部材等々考えられると思われます。
正に現在は個の時代。是非とも今一度『これから自社の商品は』とお考え下さい。
Copyright (C) 2006 Gotou Shigemi licensed tax accountant office. All Rights Reserved.